中国のお笑い

伝統話芸“相声”の魅力

中国のお笑い
著者 戸張東夫
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > あじあブックス
シリーズ あじあブックス
出版年月日 2012/12/20
ISBN 9784469232684
判型・ページ数 四六・258ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

笑いに国境などない!

“相声”は、日本の落語や漫才、コントなどにも似た、中国の伝統的な笑いの話芸。激動の現代中国で共産党政権の管理を受けながらも脈々と受け継がれてきたこの伝統話芸は、いまも中国の人々に広く愛されている。時代や国を超えて楽しめる、“相声”の魅力を、たっぷり詰めこんだ一冊。

目次

はじめに

序章 中国の笑いの話芸・相声
 相声は中国の落語?/相声は党と政府の宣伝・教育手段/「文学・芸術は政治に従属する」時代の相声も面白い/『画扇面』/『一貫道』/『学外語』/相声を生かすも殺すも芸人次第

第1章 何遅と『買猴児』『“統一”病』の悲運
 相声で革命、抗日を訴える/名作『買猴児』の誕生/「サル以外の動物ではダメだからサルを選んだ」/政治に葬られた相声『“統一”病』/意図しなかった毛沢東批判

第2章 文豪老舎と抗戦相声
 票友(天狗連)から相声作家に/一味ちがう抗戦相声『中秋月餅』/「笑えぬ相声」、「読む相声」/思うように筆をふるえなかった老舎

第3章 侯宝林と伝統相声
 貧困から生まれた芸人/芸で聴かせる伝統相声/ユーモラスな方言比較――『戯劇与方言』の「まくら」/新作でも伝統相声の風格と味わい/毛沢東の見えざる手に護られる?

第4章 馬季と政治宣伝相声
 中央広播説唱団と政治宣伝相声/社会主義総路線と歌頌型相声/確かな芸、面白い相声

第5章 改革開放時代のタレント芸人・姜昆
 ユニークな文革回顧相声『如此照相(注文の多い写真館)』/新時代の幕開け告げる流行歌と広東語/言葉遊びの相声/ばかばかしいお笑いも登場

第6章 師勝傑の声が哈爾浜から聞こえて来る
 声の魅力、“学(物真似)”の芸、味のある歌/青春ドラマ『恋愛歴険記(初デートの顛末)』/政治にはばまれた北京への夢

第7章 郭徳綱の「あぶない」相声
 「あぶない」郭徳綱の小ばなし/相声界の現状を嘆く『論五十年相声之現状』/相声界の批判に『我要反三俗』で反撃/郭徳綱と相声界の冷戦続く

第8章 郭徳綱は“個体戸”芸人
 天津で挫折、北京に賭ける/“個体戸(自営業)”芸人の茨の道/『西征夢』、『揚乃武写状』――郭徳綱の伝統相声/あの人民日報が郭の活動を取り上げた!

終章 相声の思い出、ことば遊び相声のすゝめ
 香港で相声に出会った!/相声と香港返還問題/相声をライブで観た、聴いた! 侯宝林にも会えた/ことば遊び相声(1)――伝統相声/ことば遊び相声(2)――新作相声/インターネットで相声を楽しむ

おわりに

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