近代詩の誕生

軍歌と恋歌

近代詩の誕生
著者 尼ヶ﨑彬
ジャンル 書籍 > 日本語・日本文学・日本語教育・国語教育 > 日本文学
出版年月日 2011/12/20
ISBN 9784469222173
判型・ページ数 四六・306ページ
定価 2,200円(本体2,000円+税10%)

内容

近代詩の誕生のドラマ、そして戦いの記録

明治時代、軍歌「抜刀隊」は詩として発表された。しかし現在、軍歌や歌謡曲の歌詞は詩とみなされていない。それはなぜか。外山正一、森鴎外、坪内逍遙、与謝野晶子らがしのぎを削った明治の一幕から、日本に「芸術」が成立してゆくドラマを追う。

目次

序章 軍歌と恋歌

第1章 新体詩の登場
  三つの序文
  東洋学芸雑誌
  『新体詩抄』

第2章 「抜刀隊」――新体詩としての軍歌
  軍歌「抜刀隊」
  「ラ・マルセイエーズ」
  「ラインの守り」
  田原坂の抜刀隊
  テニスン「軽騎兵旅団の突撃」
  「自己犠牲」と「名誉」

第3章 志の文学――漢詩の伝統
  詩言志の文学観
  慷慨詩の時代
  還らざる壮士

第4章 共感と追随――新体詩の増殖
  『新体詩歌』
  湯浅半月「十二の石塚」
  山田美妙の『新体詞選』
  国木田独歩「独歩吟」
  軍歌としての新体詩

第5章 古典派の反撃
  俎上の『新体詩抄』
  池袋清風の新体詩批判
  長歌の改良
  朦朧体論争

第6章 西洋派の一撃
  西洋派の文学観
  芸術のための芸術
  森鴎外の美学的芸術論
  外山・鴎外論争
  論争の後

第7章 国民的詩人――民衆歌と叙事詩
  軍歌の時代
  俗謡論
  叙事詩と叙事唱歌
  寮歌と民衆詩

第8章 近代詩の成立
  島崎藤村と与謝野晶子
  感性の革新と詩の自立

第9章 忘れられた実験――自由詩と朗読
  自由律
  朗読体
  視点の転換

 参考文献
 あとがき

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