徳川吉宗と康煕帝

鎖国下での日中交流

徳川吉宗と康煕帝
著者 大庭脩
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > あじあブックス
シリーズ あじあブックス
出版年月日 1999/12/15
ISBN 9784469231595
判型・ページ数 四六・308ページ
定価 2,090円(本体1,900円+税10%)

内容

二千キロを隔てて相会うことなく、二人は39年間同時代を生きた

徳川吉宗が八代将軍の座についたのは1716年、この年、中国では清朝康煕帝の治世で『康煕字典』完成の年でもあった。康煕帝の晩年は吉宗の治世と重なり、両者が織りなしていく政策が微妙にからみあって興味ある展開を見せていく。吉宗の積極的な中国文化摂取の姿勢を通じて、鎖国下における日中交流の実像に迫る。

目次

◆序章 将軍吉宗と康煕帝
吉宗と康煕/中国でのイエズス会士/ブーヴェの康煕帝像/清朝の行政文書/徳川吉宗の武勇談/起居注と実録

◆第1章 鎖国直前の日中関係
遊牧民族の中国大陸支配/明王朝の貿易政策/★(しょう)州船来る/明末に渡来した中国人/唐通事の祖先/深見玄岱/書籍の渡米/徳川義直の集書―蓬左文庫/天啓・崇禎版の書籍/禁書『天学初函』輸入の謎/陶磁器の物語るもの/オランダ東印度会社の陶器磁器貿易/日本における明末清初の陶磁器―祥瑞・古染付

◆第2章 明清交代と幕府の対応
国性爺合戦/江戸時代日中関係の大要/遷界令から展海令へ/正徳新令/明朝の滅亡と鄭氏一族/呉三桂と三藩の乱/鄭氏降伏/『華夷変態』/歴史とノンフィクション/唐船の呼び方/明滅亡の情報/鄭芝竜の書簡/幕府の対応

◆第3章 三藩の乱の終息
鄭成功の消長/岩生博士の数量的考察/安海船と砂糖貿易/鄭成功台湾占領/天和元年の異変/三藩の乱終わる

◆第4章 遷界令から展海令へ
東寧船の最期/降伏の使者/降伏の文書/貞享元年の入港/康煕帝の南巡/施琅方の船/遷界令の緩和/南京浙江事情/厦門の船/公儀の船/両官人の帰帆/科道官の諫言/貞享令/緩和の願い出/禁書/流通する禁書/向井元升/禁書『★有詮』発見/御普代書物改役/『唐蛮貨物帳』から/唐船の運んだ荷物/唐船の積出し品/唐船貨物改帳のサンプル/帰帆荷物買渡帳のサンプル/船数制限/唐人屋敷の設置/康煕帝の情報収集/康煕帝の目的

◆第5章 正徳新令と密輸船
吉宗登場/正徳新令/新令のリアクション/中国の信牌問題/唐船打ち払い/松浦篤信の説明/唐船の図/沙船と鳥船/中華の儀につき/建州始末記

◆第6章 吉宗と漢籍
吉宗の禁書緩和政策/清朝法律書の輸入/紀州藩の明律研究と『名家叢書』/『大清会典』『六諭★義』の和訳/康煕帝の死を伝える風説書/徂徠と北渓/吉宗の地方志蒐集/清朝地方志の渡米/医師の渡米/『楽書』の校定と徂徠・北渓/『唐津疏議』と北渓/沈★庵の渡米と『唐津疏議』校定/『古今図書集成』の運命

◆第7章 雍正時代の貿易取締り
唐三ケ寺/黄檗の隠元/唐僧の渡米/最初の情報/日本探索/スパイ船は何番船か/新しい対策/取締りの効果

◆第8章 象と人参
オランダ馬の輸入/唐馬の輸入/騎射・馬医の来朝/富田又左右衛門/『唐馬具図』/吉宗と象/長崎入港/江戸上り/宮廷での象/江戸での象/享保の象の絵/象の出版物/動物園/薬種/人参の栽培/同定作業/薬草の苗/ドレスデンの椿/『和剤局方』

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