エイジアン・パワー 上

Asian Power and Politics  The Cultural Dimensions of Authority

エイジアン・パワー 上
著者 ルシアン・W・パイ
園田茂人
ジャンル 書籍 > アジア・漢学/漢字文化 > アジア
出版年月日 1995/04/10
ISBN 9784469290707
判型・ページ数 四六・418ページ
定価 2,750円(本体2,500円+税10%)

内容

壮大なアジア論・アジア人論の名著の全訳!

西欧との比較において、権力の「温情主義」がアジアの共通項と指摘し、東アジア、東南アジア、南アジア各国の政治文化や経済発展がその国の権力観や権威観に左右されるメカニズムを鋭く分析。アジアの将来を大胆に予測する、壮大なアジア論・アジア人論の名著。待望の完訳。

目次

第1章 アジアと発展理論
 一 発展理論の擁護
 二 西洋の理論とアジアの現実
 三 発展理論に対する誤解
 四 新しい理論的展開の必要性
 五 権力・権威・正統性
 六 政治文化論の有効性
 七 文化によって異なる権力観
 八 政治文化と近代化

第2章 アジアにおける権力観――その歴史的展開
 一 原始的権力に対する多様な認識
 二 儀礼としての権力
 三 道徳秩序を維持する権力簿云う中国の場合
 四 宇宙秩序を維持する権力――東南アジアの場合
 五 儀礼としての権力がもたらしたもの
 六 権力としての儀礼と地位――インドの場合
 七 分限の政治――重視される地位と威厳
 八 西洋の衝撃による影響
 九 西洋と異なる権力観

第3章 東アジア――儒教文化圏における権力観
 一 東アジアの権力観
 二 儒教と近代化
 三 儒教文化圏における家族
 四 家族と権力イメージ
 五 明確なウチ―ソト意識
 六 官僚型権力の特徴
 七 依存の政治文化

第4章 東南アジア――パトロン―クライアント文化圏における権力観
 一 ビルマとタイに見られる西洋への異なる対応
 二 ビルマ―依存に対する不信
 三 タイ――軍事独裁下の控えめな依存
 四 インドネシア――パトロン―クライアント関係に根ざした官僚国家
 五 フィリピン――駆け引き政治体制の桎梏
 六 東南アジアにおける家族と依存の諸形態

第5章 南アジア
 一 非道徳的国家の起源
 二 政治権力と自己の内的世界
 三 誇大妄想と依存の心理的基盤
 四 イスラム的な権力観の特徴

第6章 日本――その「成功」の謎
 一 実力と忠誠による権力形成
 二 権力を支える本音と建前
 三 捉えどころのない権力
 四 集団的アイデンティティの圧力
 五 温厚で円満な指導者
 六 わかりにくい責任の所在
 七 甘えの威力
 八 分散する権力と弱い指導力

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