月刊言語2009年3月号

レトリックの力――世界を捉え 生気を吹き込み 説得する

月刊言語2009年3月号
ジャンル 雑誌 > 月刊言語(休刊)
出版年月日 2009/02/14
雑誌コード 4090300
判型・ページ数 A5・128ページ
定価 1,026円(本体933円+税10%)
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内容

レトリックは単なることばの綾ではない。的確に使われたとき、それは聞き手の心を揺さぶり、読み手の認識を新たにする力を発揮する。その説得する力はわれわれの生活のどのような場面で生きているのか。ことばとの格闘の中からレトリックが紡ぎ出される現場の息遣いを伝え、詭弁や誤ったプロパガンダに陥る危険性と表裏をなす諸刃の剣としてのレトリックの仕組みを探り、その多彩な可能性を展望する。

目次

【対談】レトリックの力とその効用(野内良三 × 瀬戸賢一)
京香さまのほだされない伝統――「オーラートル」という理想の残影(高田康成)
現代広告につながるナチの宣伝戦略(田野大輔)
天文学の発見をどう表現するか(池内 了)
饗宴外交に見るレトリック(西川 恵)
法廷を動かす弁論(鬼頭栄美子)
司法通訳の難しさ――人権を守るために言葉の障壁をどう越えるか(長尾ひろみ)
ソムリエのレトリック(岡元麻理恵)
演奏に生気を吹き込む指揮者の一言(大野和士)
美術の基盤としての人体(布施英利)
時代の半歩先を行く広告(相澤秀一)
オバマのレトリック――希望の力はどのように実体化したか(宮崎広和)
【巻頭エッセイ】
地名があらわす列強の野望――ギアナ高地の地名論(山田篤美)
脳と心的世界――言葉をめぐる客観と主観(平尾和之)
ことばの”あれこれ”は文化から(ウィリアム・シャング)

【連載】
●ラングスケープ――言語研究の動向《12》
  「命題」を超えて(長谷川信子)
●私のフィールドノートから《27》
  スライアモン・セイリッシュ語(渡辺 己)
●アフリカの言語文化誌ノートから《3》(最終回)
  国境を跨ぐ言語たち(宮本正興)
●臨床現場から見えることばの風景《3》
  書字の運動障害からわかる左右半球の役割(毛束真知子)
●adワード・ウォッチング《63》(岩永嘉弘)
●チャレンジコーナー(上山あゆみ)
●亀井肇の新語・世相語・流行語《96》(亀井 肇)

【特別記事】
[座談会]社会の中の脳[下] 共感する脳と心の関係(岩田 誠・山鳥 重・河村 満・辻 幸夫)
〈日本言語学会第137回大会〉報告(風間伸次郎)
〈日本語文法学会第九回大会〉報告(青木博史)


『言語』第37巻総目録〈2008年1月号~12月号〉

【口絵】
たびそら――アジアからの贈り物《3》
 ネパール(三井昌志)


言語空間▼[読者のページ]

書評空間▼[批評のページ]ことばのダイナミズム(評者=坪井栄治郎)/最適性理論(評者=田中伸一)/分散する身体(評者=上野直樹)

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言語圏 β▼[ことばの資料]
研究会だより
次号予告・前号内容

表紙イラスト〈小さな英国の詩集〉……井村治樹
表紙デザイン…………………鳥居 満


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