内容
英語教育の基礎知識の整理に最適の一冊!
これまでの日本の英語教育の流れや争点、英語教育の基礎知識などを58の「鍵」に分けて、平易な言葉で解説。「日本人が英語の勉強に費やした時間は本当に多いのか」「文法訳読の授業はなぜ続けられているのか」といった英語教育の素朴な疑問にも答えています。英語教育に携わる全ての人にささげる一冊です。
目次
第1章 日本の社会と英語・英語教育
◆1 日本人が英語の勉強に費やしている時間は決して多くないことを理解する
◆2 学校英語教育にとっての適切な目標とは何かもう一度考えてみる
◆3 日本の英語教育の歴史に由来する特殊性を知っておく
◆4 ここ20年の日本の英語教育の流れを理解しておく
◆5 バイリンガリズムに対する正しい理解を持つ
◆6 ことばの発達に2系統あることを理解する
◆7 英語支配と日本人のアイデンティティーに関する教師としての内省を持つ
第2章 英語教育の争点
――文法の指導・子どもに対する英語教育――
◆8 文法訳読スタイルの授業はなぜ続けられるのか考えてみる
◆9 文法指導にはいろいろな方法があることを理解する
◆10 シラバス構成のさまざまな方法について知る
◆11 臨界期について理解する
◆12 母語習得の臨界期について検討する
◆13 第二言語習得の臨界期をめぐる論争を理解する(1)
◆14 第二言語習得の臨界期をめぐる論争を理解する(2)
◆15 小学校英語教育の是非に関する論点を理解する
◆16 子どもに対する英語教育には異なるアプローチがあることを理解する
◆17 子どもへの英語指導で大切なことを理解する
◆18 小学校と中学校の連携のあり方を考える
◆19 イマージョン・プログラムについて知る
第3章 英語教育のための基礎知識
――言語観・言語習得観の変遷と第二言語教育へのアプローチ――
◆20 20世紀後半以降の言語関連科学のおおまかな流れを頭に入れておく
◆21 オーラル・アプローチとその理論的背景を理解する
◆22 オーラル・アプローチを支えた転移理論の問題点を理解する
◆23 チョムスキーの言語観のどこが革新的だったのかを理解する
◆24 言語習得研究から生得主義に対するどのようなサポートが提出されたのかを見る(1)
――形態素の習得順序――
◆25 言語習得研究から生得主義に対するどのようなサポートが提出されたのかを見る(2)
――構造の段階的発達と誤答分析――
◆26 ナチュラル・アプローチについて理解する
◆27 ナチュラル・アプローチの何が問題とされたのかを理解する
◆28 言語と言語習得研究の新しい展開を知る(1)
――認知言語学・用法基盤理論・心の理論――
◆29 言語と言語習得研究の新しい展開を知る(2)
――社会文化理論・アフォーダンス理論――
◇論点1 第二言語習得研究をどう見るか
第4章 タスクを中心とした第二言語教育
◆30 タスクとは何か理解する
◆31 タスクを分類する
◆32 タスク関連研究の成果を知る
◆33 タスクを中心とした授業の組み立てを考える
◆34 授業でタスクを利用することのメリットを知る
◆35 タスクを中心とした授業マネージメントのポイントを理解する
◆36 タスクの利用で指導計画や授業運営はどのように変わることになるか理解する
◆37 外国語環境で行うタスク型授業のむずかしさと必要な発想の転換について考える
◆38 文法の授業とタスクを中心にした授業の両立について考える
第5章 4技能の効果的な養成
◆39 4技能の関連について理解する
◆40 英語を聞くことのむずかしさがどこにあるのかを理解する
◆41 英語を話すことのむずかしさがどこにあるのかを理解する
◆42 聞き、話す力を育てるための指導を工夫する
◆43 日本人は英語を読むことならできるのか考えてみる
◆44 リーディング指導にタスク的手法を取り入れる
◆45 リーディングにおける語彙の重要性を理解する
◇論点2 リーディング用の題材を再考する
◆46 ライティング指導の原則を理解する
◆47 ライティング指導の例を見る
◆48 「それでも書けない」生徒のために
◆49 生徒の個人差に配慮する
◆50 指導における工夫や配慮について総括する
第6章 英語のテストと評価
◆51 テストの種類と目的のバリエーションを知る
◆52 テストと評価の基本概念を知っておく
◆53 テストの出題について考える
◇論点3 大学入試と英語教育
◆54 タスクを使ったパフォーマンス評価を行うことを考えてみる
◇論点4 関心・意欲・態度の評価
第7章 これから先生になる人へ
◆55 先生として大切なこと
◆56 英語の先生として必要なこと
◆57 生徒に注意するときに大切なこと
◆58 教育実習で大切なこと
付録1 英語教育の辞典・事典
付録2 第二言語習得研究の概説書
付録3 タスクはどこにあるのか
あとがき
参考文献
索引