大地の声

アメリカ先住民の知恵のことば

大地の声
著者 阿部珠理
ジャンル 書籍 > 英米文学・英米文化 > 英米文化
出版年月日 2006/04/10
ISBN 9784469245110
判型・ページ数 四六・258ページ
定価 2,090円(本体1,900円+税10%)

内容

名言、物語、歌…人々の肉声がよみがえる

「今日は死ぬにはいい日だ」……先住民たちの生き方を語る多くの名言を集め、その社会や世界観を紹介する名句編、文字を持たぬ民が伝えてきた多彩な物語を味わう民話・伝承編、日本初紹介の歌30編を収録した詩歌編の3部構成。第1人者による生き生きした描写と美しいイラストで、先住民の豊かな精神世界を浮き彫りにする。

目次

第1部 大地の声――名句・名言編

1 「今日は死ぬにはいい日だ」――死生観
2 「老いた者が語るときは静かに耳に傾けよ」――老人の地位
3 「一人の子を育てるのは村がかりの仕事である」――子育て
4 「彼らはもはや狼でも犬でもない」――自立の重要性
5 「女が地にひれ伏すまでは国が征服されたことにはならない」――女性の地位
6 「人はそれぞれの歌を待つ」――個性
7 「贈り物は、与え尽くされて初めて本当の贈り物になる」――ものの所有
8 「愛によって得られるものをなぜ暴力によって奪おうとするのか」――先住民の贈り物
9 「私に繋がるすべてのもの」――血縁も種族も超えた繋がり
10 「夢は人より賢い」――夢の啓示
11 「空気をどうやって売るのか?」――自然観
12 「真実を語るのに多くの言葉はいらない」――沈黙と雄弁
13 「客はつねに疲れ、凍え、空腹なのだと思ってもてなせ」――もてなしの精神
14 「太鼓がくれば(踊りは始まる)」――時間感覚
15 「すべては円を巡る摂理」――聖なる輪

第2部 すべての生きものの物語――民話・伝承編

1 跳ぶネズミの冒険 <シャイアン>
2 火を盗んだウサギの話 <クリーク>
3 コヨーテ、星と踊る <シャイアン>
4 モグラはなぜ地下で暮らしているか <チェロキー>
5 ハイ・ホースの恋 <スー>
6 夫の約束 <テワ>
7 イクトミが間違って妻と寝た話 <ラコタ・スー>
8 スポティッド・イーグルとブラック・クロー <ラコタ・スー>
9 空を持ち上げる話 <スノーミッシュ>
10 偉大な創造主が美しい国を作った <シャイアン>
11 ブラック・ヒルズの大レース <ラコタ・スー>
12 白いバッファローの乙女 <ラコタ・スー>

第3部 風の歌――詩歌編

1 年老いた女の歌 <イヌイット>
2 カリブー狩りの歌 <イヌイット>
3 恋の歌 <チッペワ>
4 年老いた男が妻を歌った歌 <イヌイット>
5 娘を持った男の歌 <イヌイット>
6 鳥と結婚した男 <マンダン>
7 離婚の歌 <ツムシアン>
8 夜明けの歌 <メスカレロ・アパッチ>
9 夜明けの歌 <パウニー>
10 饗宴の歌 <ピマ>
11 空のはた織り機の歌 <テワ>
12 フクロウ女の歌 <パパゴ>
13 夜の祈り <ナヴォホ>
14 歌 <スー>
15 雷の歌 <ナヴァホ>
16 嵐の歌 <ズニ>
17 カチナの歌 <ズニ>
18 魔法の言葉 <イヌイット>
19 成熟の歌 <チリカワ・アパッチ>
20 蛍の歌 <オジブワ>
21 岩の歌 <オマハ>
22 春の歌 <オジブワ>
23 今日は俺の日だ <スー>
24 力を願う祈り <パウニー>
25 戦歌 <スー>
26 追悼の歌 <スー>
27 死の歌 <シャイアン>
28 癒しの歌 <スー>
29 ペヨーテのヴィジョン <カイオワ>
30 ゴースト・ダンスの歌 <パイユート>

「声」の共同体――あとがきに代えて

【付録】
1 インディアン史 略年表
2 州名になったインディアン語とその意味
3 インディアン各部族の分布地図
4 現在のインディアン保留地

参考文献

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