英語多読・多聴指導マニュアル

英語多読・多聴指導マニュアル
著者 高瀬敦子
ジャンル 書籍 > 英語教育 > 英語教育
大学テキスト > 英語教育・英会話・実務英語 > 英語教育
シリーズ 英語教育21世紀叢書
出版年月日 2010/05/26
ISBN 9784469245530
判型・ページ数 四六・248ページ
定価 1,980円(本体1,800円+税10%)

内容

「授業内多読」「授業内多聴」がやる気を引き出す!

多読・多聴による4技能の向上、情意面へもたらす好影響、各種試験との関係など、さまざまな成果をデータを交えて検証・紹介。教材の揃え方や管理方法、教師の役割、既存のカリキュラムとの兼ね合い、評価方法など、実際に多読・多聴指導を授業に組み込むにあたり必要不可欠な情報をまとめたはじめての一冊。

目次

はじめに


第1章 多読・多聴とは

1.多読・多聴授業の目的
1-1 英語運用能力の向上をめざす
1-2 英語嫌い・英語アレルギーを減らす
1-3 本の楽しみを経験させ、読書の習慣をつける

2.外国語学習法としての多読・多聴の歴史
2-1 多読の歴史とその効用
2-2 多読に関する研究・実践報告・指南書
2-3 多読授業の普及
2-4 多聴の歴史

3.現在の日本における英語教育と多読・多聴
3-1 伝統的な訳読方式の英語教育とその弊害
3-2 過度な文法学習の弊害
3-3 過度なリーディング・テクニック重視への疑問
3-4 コミュニケーションの授業におけるリスニング

4.多読・多聴授業の特徴
4-1 多読・多聴授業の必要性
4-2 従来のリーディング・リスニング授業と多読・多聴授業の違い

5.多読・多聴の量
5-1 100万語多読
5-2 100冊多読


第2章 多読・多聴の効果

1.英語学習における情意面での効果
1-1 やる気を起こす
1-2 自信をつける
1-3 英語嫌い減少

2.英語力に関する効果
2-1 リーディングスピード向上
2-2 リーディング力向上
2-3 リスニング力向上
2-4 ライティング力向上
2-5 スピーキング力向上
2-6 文法力向上
2-7 語彙力向上
2-8 スペリング力向上
2-9 発音・イントネーション・リズム向上

3.各種試験に対する効果
3-1 大学入学センター試験・入試長文・模擬試験
3-2 英検、TOEIC/TOEFL

4.その他の効果
4-1 読書の習慣づけ(英語での読書→日本語での読書)
4-2 集中力持続時間(attention span)増加
4-3 学習意欲向上
4-4 視野の拡大、外国文化・生活習慣に対する理解
4-5 物語全体の理解力向上
4-6 話す意欲向上

5.多聴の効果
5-1 物語全体を聴く力向上
5-2 リスニング力の向上
5-3 文字と音声の関連付け
5-4 多読のスピードを上げ効果を高める


第3章 多読・多聴指導の三大ポイント

1.多読指導に不可欠な三大ポイント
1-1 SSR(Sustained Silent Reading)―授業内読書
1-2 SSS(Start with Simple Stories)―最初はやさしい話から
1-3 SST(Short Subsequent Tasks)―最少の読書後課題

2.多聴指導に必要不可欠な三大ポイント
2-1 SIL(Sustained Individual Listening)―授業内多聴
2-2 SSS(Start with Simple Stories)―最初は聴きやすい話から
2-3 SER(Start with Extensive Reading)―多読と同時導入
2-4 その他の多聴方法


第4章 多読・多聴導入方法

1.英語カリキュラムとの兼ね合い

2.多読実施の時間帯
2-1 授業時間中(週に1時間担当者を決めて多読)
2-2 授業時間中(10分間多読)
2-3 ホームルーム時の多読

3.多読授業の場所
3-1 図書館での多読授業
3-2 クラスルーム・ライブラリー利用の多読
3-3 本を教室に運び込み行なう多読授業
3-4 図書館から各自本を借り出し教室で行なう多読授業

4.多聴実施の時間帯

5.多聴授業の場所
5-1 普通教室
5-2 CALL教室
5-3 授業外での多聴

6.クラスサイズ

7.指導者の役割
7-1 読書状況の観察
7-2 読書記録チェック
7-3 指導者自身が多読することの大切さ


第5章 多読・多聴用教材

1.多読図書のレベル・語数について
1-1 YL(Yomiyasusa Level: Readability)―読みやすさレベル
1-2 HW(Headwords)―見出し語
1-3 WC(word count)―総語数

2.多読用図書の種類
2-1 Leveled Readers(LR)
2-2 Graded Readers(GR)
2-3 Children's Books
(CB)

3.読書の進め方
3-1 非常にやさしい本を100冊一気に読む
3-2 徐々にレベルアップ

4.読書記録
4-1 読書記録用紙
4-2 隙間埋めシート(多読用図書のリスト)
4-3 読書記録手帳

5.図書入手方法
5-1 購入
5-2 日本多読学会図書貸し出し

6.図書管理者および保管場所
6-1 図書館
6-2 研究室・教員室
6-3 倉庫、空き部屋、車のトランク
6-4 その他の場所


第6章 うまくいかない多読・多聴指導―原因とその対処法

1.うまくいかない多読の問題点と解決法
1-1 学習者に起因するもの
1-2 指導者に起因するもの
1-3 同僚の態度に起因するもの

2.学校・組織のサポート体制
2-1 管理職を味方につける
2-2 図書館を味方につける


第7章 成功した多読

1.武庫川女子大学附属中学校・高等学校

2.鴎友学園女子中学高等学校

3.広島市立己斐中学校

4.国立豊田工業高等専門学校

5.近畿大学法学部

6.SEG(Scientific Education Group)

7.多読・多聴授業成功の鍵


第8章 多読の評価

1.学習者に対する評価
1-1 多読授業としての評価(英語力向上を含む)
1-2 英語に対する情意面での評価

2.指導者に対する評価
2-1 授業の一環としての評価
2-2 学習者指導上の評価

3.プログラム全体の評価
3-1 同僚の賛同を得られたか
3-2 今後カリキュラムに組み込めるか

4.今後の展望


第9章 多読・多聴にプラスするアウトプットの必要性

1.多読・多聴プラスアルファ
1-1 母語習得時の多聴・多読プラスアルファ
1-2 第二言語習得時の多読・多聴プラスアルファ

2.今後の課題


第10章 多読・多聴指導FAQ

1.多読教材・導入一般に関する質問

2.多読・多聴指導法について

3.実際の多読授業クラス運営について

4.教師の役割

5.本の購入・保管・貸し出しの方法など

6.多読の効果


おわりに

〈付録〉
参考文献
多読・多聴指導実施校一覧
索引

ジャンル