新英文法選書3 補文の構造

1989年度市河三喜賞受賞

新英文法選書3 補文の構造
著者 太田朗
梶田優
稲田俊明
ジャンル 書籍 > 英語・英語学 > 英語・英語学
出版年月日 1989/02/15
ISBN 9784469142136
判型・ページ数 A5・250ページ
定価 2,640円(本体2,400円+税10%)

内容

具体的な語彙と、そのあとにくる補文との関係を追究

補文とは主節に対するいわゆる従属節であるが、埋め込まれる環境によってその性質は異なっている。たとえば、believe類とpersuade類が不定詞補部をとるとき、どちらも目的語と補部をもっているように見えるが、その構造は同一ではない。この相違は補文をもつ動詞の特性によるものである。同様に、間接疑問文や感嘆文をとる動詞にも制限がある。また伝統文法家なども観察している潜伏疑問文と呼ばれる名詞句の解釈など、英文の意味を理解する際、間違いやすく注意が必要なものもある。 本巻では、文の構造とは何かについて概説した後、様々な動詞の補文の構造を平明に解き明かし、さらに補文の持つ「含意」など構造と意味との関係について、これまで明らかにされた興味深い事実を分かりやすく説明する。また、不定詞句の意味上の主語はどのように決定されるかなど、文法の原理の研究において重要な問題も扱っている。

目次

第1章 文の構造
 1.1 はじめに
 1.2 文の構造と句構造標識
 1.3 句構造とX原理
 1.4 基底構造と表層構造

第2章 補文の構造
 2.1 はじめに
 2.2 自動詞補文の構造
 2.3 相動詞
 2.4 他動詞補文の構造
 2.5 形容詞句補文の構造
 2.6 名詞句補文の主要部となる名詞
 2.7 文主語構文と外置構文
 2.8 動名詞と派生名詞

第3章 補文中の疑問文と感嘆文
 3.1 間接疑問文を補部にとる述語
 3.2 間接疑問文の選択と語彙項目の記述
 3.3 疑問文の意味表示
 3.4 間接疑問文を導く whether と if
 3.5 疑問節と他の WH 節

第4章 補文と意味
 4.1 はじめに
 4.2 補文の法と推定の should をとる述語
 4.3 「補文主語の繰り上げ」と意味
 4.4 叙述述語と感情的述語
 4.5 含意述語と補文
 4.6 断定的述語と補文

第5章 補文の意味上の主語
 5.1 はじめに
 5.2 最小距離の原理
 5.3 義務的コントロールと随意的コントロール
 5.4 主題関係と語用論的要因によるコントローラの選択

語彙リスト

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